FLANNEL
こだわりが宿るタイムレスな素材
マーガレット・ハウエルにとって、生地はすべてのはじまりであり、インスピレーションです。
生地から色が選ばれ、服のかたちが決められていく。
そうしたプロセスやストーリーを知ることで、一着への愛着はいっそう深くなります。
200年以上変わらない
価値を求めて
イングランド南西部のウェリントン・サマセット。イギリスらしい、素朴で伝統的な街の中に「フランネルの代名詞」と称されるフォックスブラザーズ社があります。服を作り始めてまもない頃、マーガレット・ハウエルはとある毛織物の展示会で同社の生地に出会いました。1772年の設立以来、200年以上もの間、同じ原料とプロセスで作り続けられる生地は、粗野でありながら品があり、世界中で愛されています。同じく私たちにとっても、この柔らかく暖かなフランネルは、なくてはならないもの。設立初期より、時代の空気を取り入れながら使い続けています。
WOMEN FLANNEL JACKET ¥ 86,900 (税込)
MEN FLANNEL JACKET ¥ 81,400 (税込)
色糸をたくさん混ぜることで、トップグレーに繊細な表情が備わります。肩や胸の張った構築的なテーラードジャケットではなく、毛芯や副資材の少なくした、柔らかな仕立てを選び、軽やかにはおる感覚を目指しました。メンズのジャケットは半裏仕立、ウィメンズのボトムスは腰回りにドローストリングを採用。まるでカーディガンやスウェットを着るような抜け感と、端正な佇まいを両立しています。これまで、生地作りに技術力のある日本でも理想のフランネルを再現できないものかと、さまざまなファクトリーに足を運び、試行錯誤を繰り返してきました。しかし長年、一切の妥協をせず同じ生地を同じクオリティで作り続けてきたフォックスブラザーズ社でしか、この独特の温もりや風合いを生み出すことはできないのです。
スタッフが愛用している
フランネルジャケット
着用後はホコリや汚れをブラシで落とし、乾いた柔らかい布で水分をこまめに拭き取れば、フランネルは美しく長持ちします。こちらの写真は約2年間、しっかりと着込んだジャケットですが、型崩れもなく、表情はきれいなまま。丈夫で膨らみのあるフォックスブラザーズの生地の変わらない魅力は、大事に育てることで受け継がれていきます。
PHOTOGRAPHER: KAZUKI NAGAYAMA
WRITER: MASAYUKI OZAWA