人気のコーヒーショップPADDLERS COFFEE（パドラーズコーヒー）を営む松島大介さん。バリスタの加藤健宏さんと一緒にポートランド発のスタンプタウンコーヒーを提供し、老若男女が集う空間や場づくりを実践している。さまざまな年代の方と接客を通してコミュニケーションを取ることが好きと話す松島さんが選んだ、大切な人に贈るギフトとは。

−渋谷区西原の店を始める前からMHLとは所縁があったそうですね。

そうなんです。MHLの当時の部長とのご縁もあって、渋谷の水道局の跡地でやっていたMHLコミュニティマートというイベントに出店させてもらったのがきっかけでした。自分たちが出したはじめてのコーヒースタンドがここだったんですよ。その後もショップの一角に入れるオープンスタンドの店をやらないかと声をかけてくださって……。そうして、今の旗艦店オープンにつながるのですが、渋谷区西原の店は今年で5年を迎えました。

−バリスタの加藤さんとのご関係は？

加藤とは店を始めてからずっと一緒です。彼はコーヒーを淹れることがメイン、僕はそれ以外の店づくり、例えば、イベントや接客、ディスプレイなどの空間作りをメインとしています。うまく役割分担ができているのがありがたいですね。

−イギリスのデットストックのカップは、その加藤さんへの贈り物として選ばれましたが、理由を教えてください。

彼は、コーヒーはもちろんカップにもこだわるので、なかなかハードルが高いのですが、このストーンウエアはアメリカのものと違っていいなって。おそらくあまり持ってないサイズ感だろうという想像をもとに選びました。形や持ち手もいいし、真っ白でなくちょっとアイボリーというところもいいですよね。

−アメリカのストーンウエアとはどう違うのですか？

僕らはアメリカに行く機会が多いので、よく見かけるんですけど、アメリカではエスプレッソサイズかもっと大きいものしかない。こういう風にさらっと飲めるサイズ感だから、日本人にも使いやすいと思います。あとは持ちやすいですね。２つの指で持って、中指が下のくぼみにハマるような。シンプルだけど、とても考えられているのがイギリスっぽいなあって。

−ご自身が選ばれたのはアウターのコートでしたが、自分のために特別に買うことはありますか？

一年に一度くらいはご褒美的にドンと買うことがあるかもしれません。季節は自分が11月生まれということもあって、またファッションが楽しくなる冬が多いです。

−今回のコートを選んだ理由を教えてください。

最近先輩から教えてもらった映画で、オーバーコートをさらっと着ているバスキアがニューヨークの街を闊歩しているシーンを観て、とてもカッコいいと思って。普段僕は自転車なんですけど、街歩きをする時はこんなロング丈のコートがいいなあって。ライナーが取り外しできる実用的な面にも惹かれます。夏以外の3シーズンはいける。春はTシャツの上に、寒くなればセーターの上からでもいい。あと、ヴィンテージの軍ものが好きだから元ネタが気になるんです。これは当時のニュアンスを残しつつ、現代の素材感とフィット感になっていて、とても着やすい。ヴィンテージものが本当に好きな人が作っている服なんだっていうのは、手に取ってすごく感じますし、そこが選んだ理由でもあります。

−ディテールにこだわったものを贈り物にすることはありますか？

そうですね、ものに対するこだわり派が僕の周りにたくさんいるので多いかもしれません。服づくりでも店づくりでも同じだと思いますが、MHLのように誰も気にしていないようなところを意識している作り手はやはり視点が面白い。そういった視点で作られたものは愛着も湧きやすいので、贈り物にもいいですね。相手の生活にどこまで寄り添えるかが大切だと思うのですが、まあ、それでも僕自身は、仮に使ってもらえなくても喜んでくれたらそれでいい。プレゼントは仰々しくなく、そのくらい気軽に贈りたいと思っています。

FOR BUSINESS PARTNER

DUDSON CUP 各¥1,800 (代官山店限定)

FOR MYSELF

COAT ¥63,000

PHOTO : NORIO KIDERA
TEXT : CHIZURU ATSUTA