CASHMERELLO
快眠を誘うコットンカシミヤ
マーガレット・ハウエルにとって、素材はすべてのはじまりであり、
そこからデザインが決められていきます。
このコラムではそんなプロセスやストーリーをお伝えします。
スイスの美しい環境下で厳しく管理された生地は、ディテールの細やかな気配りによって
より上質な着心地をもたらしています。
スイスのシャツ地メーカーによる
上質なコットンカシミヤをパジャマに
海に面しない位置ながら、豊かな水源に恵まれるスイスは、アルプスに囲まれた美しい環境を生かして繊維業で栄えました。それはイタリアやフランスと隣り合わせであることも理由の一つでしょう。また時計をはじめ、精密工業も盛んな国柄が関係しているのか、その長き伝統は緻密な仕事ぶりによって受け継がれています。この生地を作るのは、スイスにある創業100年を超える老舗のテキスタイルメーカー。とくに隣国のテーラーやメゾンは、細番手の糸で織り上げた繊細なファブリックに厚い信頼を寄せています。このメーカーは仕立ての良いドレスウエアやモード服、とりわけシャツには欠かせない存在で確かな仕事ぶりは、業界内で高く評価されています。
CASHMERELLO PYJAMA SHIRT ¥ 39,600 (税込)
CASHMERELLO PYJAMA TROUSERS ¥ 41,800 (税込)
染色から加工まで、すべて一貫している高いクオリティのこの生地をマーガレット・ハウエルが知ったのも随分と前のこと。私たちはカシミヤ15:コットン85の贅沢なシャツ生地を、あえてパジャマに使用しています。カシミヤの混率が高いため、肌ざわりは格別で、心地よい暖かさ。その高い着心地を生かすために、ディテールを徹底的にこだわりました。例えば脇下の始末はステッチを表面に出さない折り伏せ縫いで、素肌にあたりを感じることはありません。丈夫な水牛の角から作られたボタンは、ドレスシャツに用いられる貝ボタンのように薄く仕上げました。肌に干渉せず、それでいて取り外しやすく、そして柔らかな生地の印象を崩さない大きさのバランスを考えています。さらに、額縁の角のように45度に切った手作業による裾の始末もこだわりのポイント。ディテールから裏側まで着心地への配慮が行き届いています。
手洗いと天日干しで
風合いを保つ
トラウザーズはドローストリングでゆったり着られるパターンゆえ、愛用する男性スタッフも多いようです。ドアや壁のフックにかけるられるように、ネック裏やウエスト部分に小さなタブをあしらいました。生地には吸湿性がありますが、寝ている間は誰しも汗をかくもの。やさしく手洗いすれば、生地の風合いを保つことができます。乾燥機は縮みの原因になるので、太陽のもとでふんわりと自然乾燥させましょう。
PHOTOGRAPHER: KAZUKI NAGAYAMA
WRITER: MASAYUKI OZAWA